ニライカナイJournal

奄美群島の今を伝えたい

「何もない徳之島の豊かさ」・・・。そこには流行りのタピオカドリンクはありません。しかし、手つかずの自然とゆったりとした時間と人々の優しさがあります。


4月 徳之島行


徳之島には船で。と決めて奄美大島から往復フェリーにしました。朝5時50分発。おおよそ4時間。荷物が主なので、港に着くと車両やコンテナを運ぶのに時間がかかりますが、そんな風景を見ながらゆったりと船上で過ごす。

 

初フェリー。

エンジンの音とかすかな揺れが心地良い。

 

船室は、行き先ごとに部屋が分かれています。ひとりのスペースに枕と毛布があって、寝ている人もいれば、おしゃべりに花を咲かせている女性客もいます。食堂も開きますが、コーヒー販売や自販機、売店もあるのでとても便利です。港、港では乗船客が下船すると迎える人々が待っていて、再会を喜ぶ風景が見られます。朝9時には徳之島亀徳港に着きます。

 

★フェリーきかい

 

奄美海運が運航するフェリー。現在、就航しているのは2015年竣工の3代目である。

≪知名航路≫

 

鹿児島港(本港北埠頭) - 喜界島(湾港) - 奄美大島(名瀬港) - 奄美大島(古仁屋港) - 徳之島(平土野港) - 沖永良部島(知名港)

 

鹿児島発が火・木の週2便で、平土野航路に就航するフェリーあまみと交互に運航される。上り便は古仁屋港と平土野港には寄港しない。 下り便は鹿児島出港が17時40分、名瀬入港が2日目7時、知名入港が14時50分、所要時間は21時間10分、上り便は知名出港が15時5分、名瀬入港が19時55分、鹿児島入港が10時20分、所要時間は19時間15分である。≪wikipediaより≫         

亀徳港からバスで山あいや町の間を走り、およそ1時間。平土野港に到着。小さな港でしたが、静かでゆったりした時間が流れていました。                翌日、タクシーの乗務員さんとの会話の中で彼は「平土野港?裏ね」と言った。どうも亀徳港が表で平土野港が裏という意味らしい。確かに港の規模は大分違うが、旅人にはいらぬ情報でした。          

港には昔ながらの喫茶店が一軒、ラーメン屋さん、日替わりランチのお店が一軒。お昼はこの3軒から選ぶことになる。結局滞在中は毎日ラーメン屋さんにお世話になりました。

 

 写真:平土野港

景勝地「犬の門蓋」(いんのじょうふた)。

平土野港から1.51km。右に左に牛たちやサトウキビ畑を見ながら到着。荒波にもまれた断崖、奇岩が広がります。強風でしがた撮影に挑戦                                                                                              東シナ海に面したこの海岸一帯は、隆起サンゴ礁が長年にわたる浸食によりできた奇岩や断崖があります。通称「めがね岩」と言われる奇岩や断崖、洞窟、ビーチロックなど変化に富んだ景観は見事なものです。昔、大飢饉のとき、人畜を襲う野犬を海中に投じたという逸話からこのような呼称がついています。

アクセス:平土野港から徒歩25分、徳之島空港から車10分。

 

帰る道すがら、海岸沿いにアダンの木が群生していて、まさに田中一村の世界が広がっていました。

夕陽が美しいとのことですが、終日曇っていて夕陽は残念ながら、見ることはできませんでした。

 

 


闘牛の里

天城町を歩いていると、闘牛の牛を散歩させている光景に出逢います。徳之島に来た実感が湧く瞬間です。こんな風景に出逢えるのは運。

 

この日散歩させていたのは、まだ1歳の子牛。それでも1トンあります。

 

普段おとなしいですが、牛を見ると興奮すると聞いて、末が楽しみになりました。名前は「龍蛇」。

飼い主さんは、牛を引きません。牛の気持ちを大切にします。歩かなければ、歩くまでじっと待ちます。

 

こういった光景に出逢ったことがあります。ドバイで開催された馬の24時間耐久レース。「エンデュランスライド」。馬が疲れれば、騎手は馬から降りて歩きます。決してムチを入れることはありません。そして棄権となり退場のシーンでは、騎手は馬をねぎらい、労わる風景も見られました。砂漠の地での馬は命。そして徳之島でも牛は労働力であり家族であり、やはり命なんだと思いました。


2019年5月5日

闘牛日本一決定戦に沸く 徳之島の「力道山」が勝利

徳之島と沖縄県の「全島一」がぶつかり合い、実質的な闘牛日本一を決める「第22回全国闘牛サミット記念日本一決定戦・ミニ軽量級優勝旗争奪戦天城町大会」が4日、鹿児島県天城町の松原闘牛場であった。同町闘牛協会主催。会場には地元ファンや観光客ら約4千人(主催者発表)が詰め掛け、白熱の戦いに沸いた。

 サミット開催で全国から訪れる闘牛ファンを楽しませようと、日本一決定戦を企画。徳之島闘牛連合会によると、両地域の王者同士の対戦は、沖縄県うるま市で開かれた2016年3月の大会以来2回目。

 取組は全11番。日本一決定戦は徳之島王者の「力道山」と沖縄王者の「有心邁進龍」が対戦し、一進一退の攻防を繰り広げた。対戦時間が20分を超えたところで力道山が疲れの見えた有心邁進龍を一気に攻め立て、22分31秒で勝利を収めた。

 ミニ軽量級のタイトル戦は、挑戦者の「戦勝虎丸」がチャンピオンの「極真花形富沢號」を25分26秒で下して新王者に輝いた。三賞は「金子山岩」が殊勲、「戦勝岩力鉄秀」が技能、「戦闘牙狼」が敢闘賞をそれぞれ受賞した。

(奄美の南海日日新聞webより転載)


戦後70周年記念誌

特集 写真で見る戦時下の徳之島

~天城町を中心として~


平成28年に天城町が戦後70周年を記念し発行した写真集。

大正9年の世界恐慌の境に日本経済が悪化し、戦争へ向けて活路を開こうとした日本の背景から戦時下の徳之島をみつめ直す一冊。天城町企画課より譲って頂きました。

 

●A4判

●32頁

 

序章 戦争への足音

第一章 太平洋戦争と徳之島

第二章 徳之島駐屯部隊の配置

第三章 戦時下の食糧事情

第四章 空爆下の徳之島

第五章 終戦

第六章 懐かしの写真集

 

発行:天城町企画課

編集:天城町戦後70周年記念誌編集委員会

委員長:松村義則