3.15 関西生コン労働組合の弾圧を    許さない東京の会結成集会


今年の開花宣言が出された3月14日(土)に東京原宿にある千駄ヶ谷区民会館で「関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会」が発足されました。この会は、警察、検察、企業などが一体となり、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部にかけられている弾圧に反対するとともに、関西地区生コン労働組合の闘いに学び、労働運動の再生を目指すことを目的として発足しました。

関西生コン支部弾圧に反撃する道は労働組合と労働運動の復権。そのために団結して闘おうと関生弾圧許さない東京の会結成集会。主催者挨拶は、会の共同代表である金元重さん(千葉商科大学教授)からスタート。そして、基調講演は、熊沢誠さん(労働研究者・甲南大学名誉教授)のビデオ上映。そして関係各者からのメッセージや訴えがありました。


主催者挨拶 

 

金元重さん(共同代表・千葉商科大学教授)

一昨年8月から、関西生コンは大弾圧を受けた。滋賀、大阪、京都、和歌山県警が連携して、1年以上前の組合活動を威力業務妨害や恐喝未遂などをでっちあげて、武委員長、副委員長を始め、延べ89名の逮捕者を出し、起訴されている状況。武委員長、副委員長は保釈も認められず500日を超えて長期勾留されている。戦後最大の組合弾圧である。各地で支援の会が立ち上がっているが、この「関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会」は労働組合を主体とした支援闘争の波を作っていきたい「ひとの痛みは己の痛み」とし、理不尽な労働組合弾圧に対して、まず労働組合が弾圧反対に立ち上がろう。


基調講演(ビデオ)                      

熊沢誠さん(労働研究者・甲南大学名誉教授)

撮影:小泉義秀(東京東部ユニオン執行委員長)

共謀罪的取り調べについて。警察も検察も取り調べについては「関生と手を切れ」という転向の強要をやるということ。「組合は反社会的勢力である」「誰も世の中の人は支持するものはおらないじゃないか」と組合と手を切れと強要する。奥さんに電話し「夫に関生を辞めさせろ」とか親に息子のことを話すなど。このようなことで長期勾留は許されない。これを検察省がやっていることに驚く。資本側である大阪広域協がやっている不当労働行為と同じこと。警察、検察が直接不当労働行為をやる(取り締まる)ということは今までになかったこと。むき出しの弾圧が出てくるというのが不思議。そして保釈条件もひどい。『組合に近づくな、組合員と話をしてはいけない』という条件付き。今の全体の監視社会、行動統制はかなりできている。私はつくづく思う。これは治安維持法での共産主義者の弾圧と同じ。昭和8年の大量転向が共産党崩壊の一番大きな理由。治安維持法は思想転向して天皇の元で日本国民と一緒に働けということ。「国民は誰も貴方を指示していない」とそういうふうに転向を促すことは似ている、無いのは拷問だけ。むき出しの拷問だけが違う。〈講演内容の抜粋です)

一般的に一般的に護憲派は産業民主主義について鈍感である。ストライキを打つ労働組合、関生は今も多くの人が興味を持つ。しかし関生問題を知らない人が多い。マスコミが取り上げない。新聞に『関生』という字を見たことがない。議員さんの共同声明が出たくらい。組合運動の信頼、空気みたいなものがなくなってしまった。組合問題の深刻さが指摘されても行政や法律が、その問題を解決して労働組合、労働運動に期待するという思想自体が衰退している。このことが私は我慢ならんのです。私が労働研究者として関生に興味を持つのは当たり前だが、なぜやる気になったかというのは、この今の世論がおかしいという怒りみたいなもんですね。(三重のご自宅でビデオ収録を行いました 撮影:小泉義秀(東部ユニオン執行委員長)


共同代表・呼びかけ人からの訴え

木下武男さん          (共同代表・元昭和女子大学教授)

熊沢さんのビデオをフォローする形でのお話でした。熊沢さんが最後に言われた産業民主主義の話はずっと強調されて話されています。労働条件のありかたは経営者と労働者は対等であり、話し合いで労働条件を決める。「産業の中の民主主義」ということ。話し合っても決裂したらストライキという武器を使う。経営側の武器はロックアウト。これによって労働力商品をストップする。買いませんということ。互いの武器を使う労働社会における「バトルフィールド」である。ここで決着をつける

この会は労働組合を中心にして支援活動を行う。若き武建一さんがやりたかったことを再び実現させる。情熱をかけた運動を再び日本でやり直す第一歩としたい


呼びかけ人の訴え        平林 猛           (ジャーナリスト・「棘男」著者)

奄美大島上映会に来ていた武委員長の親戚が、平林を見て「おう、建一、もう出てきたのか?」と武建一さんと間違われたエピソードに会場は笑いの渦に。

「棘」上映地に足を運んでいるのは武委員長の現状を知ってもらいたいから。一ジャーナリストとして武建一及び関生を見過ごすことはできない。この関ナマ弾圧は民主主義の崩壊、独裁国家の始まり。とにかく意を唱える。とにかくやる。


共に闘うアピール

坪井静さん(一陽会労働組合執行委員長)

 

昨日、介護職員のマスクは、4月第二週には在庫がなくなるという発表があった。資本主義社会の崩壊であり、医療崩壊である。安倍政権は我々労働者の自由をさんざん奪ってきたのに、この上に搾取と命を奪おうとしている。また自治体や日赤など424病院の統廃合を狙っており、全国公立病院の4分の1の病院が地域から無くなることになればコロナ感染は急速に加速する。厚生労働省は、コロナ感染者が増えた場合は、訪問介護を利用しろという。ヘルパーの感染被害を顧みない発表である。また認められていなかった在宅部門の介護者ひとりひとりへの消毒液を勝ち取った。闘う労働組合の復権を!


閉会挨拶/山口弘宣さん(呼びかけ人・日本機械工業労組執行委員長)

日本中の消防車を作っている。どうして関生弾圧をなぜ反対するのかというと、私たちもストライキを打つからです。今は春闘真っ只中、毎日朝ビラやって、交渉やってを繰り返している。関生、動労千葉を含め、ストライキで闘う労働組合の復活を。賃上げについて、共に闘って欲しい。今日の集会に集まって頂いたのは200人。ここに結集した皆さんが職場で闘って欲しい。職場の中で、地域の中で、この関生支援を一緒に進めていきましょう。

藤田正人さん

(共同代表・東京弁護士会)

関西生コンに対しては信じられない規模の弾圧が行われている。ストライキは威力業務妨害、団体交渉は強要、恐喝である。資本側にとっては当たり前の話。労働組合の争議権を背景にして、団体交渉をする。これは「強要」だし「恐喝」です。ただし、これらは合法化されたものである。日本の労働者階級は敗戦後の2.21ゼネストに象徴される戦後革命の闘いの中で、こういう権利を勝ち取った。だから刑事免責も認められている。

支配階級からすれば戦争へ向かい、治安強化を狙っている。闘う労働組合を消滅させたい。コロナで緊急事態宣言も行われようとしている。ストライキが威力妨害ならゼネストで真っ向から打ち破る。共にに闘おう


呼びかけ人の訴え        杉浦弘子(映画監督)

「棘」を作るきっかけは2018年8月28日の武委員長の逮捕である。この理不尽な逮捕、長期勾留を一刻も早く人々に伝えたい。その一心で映画を作り上げた。

昨日の群馬上映会では「関西生コンの弾圧を始めて知った」「母に勧められて観に来たが、武さんへの虐めは許せない。できることから支援したい」という言葉を頂いた。これからもこの「棘」を箱根の山を行ったり来たりしながら全国に広めて、関生の弾圧の現状を知ってもらいたい(写真:群馬合同労組清水彰二執行委員長よりお借りしました)


共に闘うアピール

 

中村仁さん(動労千葉・書記次長)

関生は、日本の闘う労働組合の代表である。毎年11月の労働者集会には20年以上も共催として共に闘っている仲間。動労千葉は3月13.14.15と木更津支部の花崎支部長への組織破壊だけの不当処分を「花崎支部長の痛みは己の痛み」と動労千葉すべてにかけられた攻撃として48時間のストライキを闘い抜いた。国鉄分割民営化は許せない。解雇撤回。私は運転士だった。運転士に戻るまで闘う。すべての労働者に語り、訴えよう。関生と共に闘い、声を上げよう!


東京西部ユニオン鈴木コンクリート分会・吉本伸幸執行委員長(東京の会事務局長)

杉井ドクターはじめスタッフの皆さんへの感謝します。

先般、安倍がコロナ特措法を強行し、緊急事態法を成立させた。安倍が権限を持ち我々の労働者の団結権や、集会が緊急事態だと。絶対認めない。断固、今日も多くの仲間が集まりやりきったと思っている。

以下、会則の紹介と、第4条の「あらゆる産別職場に闘う労働組合を作り出す」というのが核心。労働組合が断固闘っていく会である。関生と共に闘ってゆく。西の関生、東の動労千葉。その中で背中を追いかけてきたのが鈴コン分会。経験の中から労働組合は闘えば必ず勝利する。負ける気はしない。東京の会は決起で今日発足します。



団結ガンバロー

花輪不二男さん(世田谷地区労顧問)

今日嬉しかったのは、闘う仲間がここに結集した。ということ。東京の会を作ったが続けなければ。続けることが本当の連帯、支援であり、我々の闘いの勝利につながる。

世の中いろいろな矛盾がある、この矛盾を打ち破っていくその力にならなければならない。唱和してください。「東京の会団結ガンバロー!」

団結ガンバローは皆さん小声で、エアガンバローとなりました。

 


《新型コロナウイルス対策》       新型コロナウイルスの危機のなか会場には200人以上の参加がありました。

コロナ対策としては、会場には医師とスタッフの待機、来場者はマスクの着用。入り口でのアルコール消毒を行いました。

また演台のマイクも消毒カバーで保護し、休憩時間にカバー交換するなど万全の対策で臨みました。 

 

 


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