皆さまへ

2020年も残すところ、あと1週間になり、年末の準備でお忙しいことと思います。 改めて、この一年間、皆様のご支援を頂きましたこと、多くの出逢いを頂きましたこと、スタッフ一同御礼申しあげます。

2019年10月17日、武建一委員長が関西生コンを立ち上げた、大阪西淀川の地で「棘」を初公開してから1年が経ちました。思えば、その日は公判の日でありながらも、関西生コン組合員の皆様のご協力を頂き、また、地元から、京都から、東京から駆けつけてくれた皆さんのお陰で、大阪での上映会は成功裡に終えることができました。その後は、武委員長はじめ、湯川副委員長の解放に向けて、全国で上映会を開催して頂きました。

今、改めてコロナの脅威にさらされておりますが、「組合潰しの現状を知る」ことはどんな形でも進めていきたいと思っております。これからも健康に留意しながらスクリーンから声を上げるべく、活動してまいりましょう。宜しくお願い致します。

 

         「棘」製作委員会  平林 猛 藤山顕一郎 杉浦弘子


8.1映画「棘」埼玉上映会報告

 

コロナ禍であり、不安を抱えながらも大勢の皆様が参加して下さいました。本当にありがとうございました。・・・・・・・・詳しくは★上映会一覧の「埼玉上映会8.1」をご覧ください。


誰でも生まれながらにして「正」や「義」や「疑問」の心を持ちあわせてきたはずだ。しかし歳を重ねていくと、いつしか忘れてしまう。まるで「棘」が抜け落ちるように。その「棘」を77歳になった今でも持ち続けている男がいる。全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部執行委員長、武建一である。

でも、こんな世の中、こんな男がいてもいい。


徳之島生まれの一人の男、武建一の半生を描いたヒューマンドキュメンタリー。

その男は、19歳の時に島を出る。

大阪生コンクリート会社のミキサー車の運転手として睡眠時間2時間という過酷な環境の中で「故郷に錦を飾る」べく働いた。

しかし、ある日、仲間が突然解雇となる。

その男は、会社に抗議をした。

「俺の仲間を明日から来るなとは、なんねん!」と。

そこから、男の人生は激変する・・・・・。

労働者を守ろうと労働組合を作り、奔走。そしてはや55年が過ぎた。

しかし労働環境の改善、賃金の値上げ交渉・・・・労働者のため、中小企業のため、交渉すればするほど、親会社や仕入れ先の大手セメント会社や建設を請け負うゼネコンからは嫌われる。

組合やその男に対する弾圧は厳しいものがある。そんな中でも屈せず、身を挺して闘っている。

いったいその不屈の精神はどこからくるのだろうか・・・。

2018年3月11日の春闘のときの武建一。この時は、250台以上の生コンクリートミキサー車で大阪市内をパレードした。


只今 裏方奮闘中!


映画製作はもちろんのこと、ビジュアル、音楽、編集と様々な場面でたくさんの皆さんに応援を頂きながら完成に向けて頑張っています。

語りは、俳優の大久保鷹さん。1965年、劇団「状況劇場」の路上劇「ミシンとコーモリ傘の別離」で俳優デビュー。退団後、唐組の旗揚げ公演に参加。舞台、映画と活躍中。2000年5月月蝕歌劇団の「家畜人ヤプー」(沼正三作)の舞台を観る。こんにゃくを額にぶらさげて登場した大久保鷹さんのその存在感が会場を圧倒した。以来、私の中では鷹さん=こんにゃく男です。

この「家畜人ヤプー」は世界中で読まれていて漫画にもなっています。三島由紀夫の愛読書でもあります。この小説は康芳夫が全権プロデューサー。康さんは「オリバー君」を連れてきたり、異種格闘技「モハメッド・アリVSアントニオ猪木戦」をプロデュースしました。30年以上お世話になっています。人生退屈と意表をついた企画で世の中楽しくしてくれています。


右から平林猛プロデューサー、大久保鷹さん、藤山顕一郎プロデューサー
右から平林猛プロデューサー、大久保鷹さん、藤山顕一郎プロデューサー

この写真は、平林猛プロデューサーと藤山顕一郎(映画監督)との映像試写会を行った時のもの。新宿のビッグエコーでの試写会。なんと大久保鷹さん、カラオケルームは初体験!と大変喜ばれました。試写室やスタジオを借りると予算もかかるので、交通の便が良く、DVD鑑賞できるカラオケルームは最適。この日は奮発してフリードリンクを頼みました。このカラオケ店は、場所によっては大画面の迫力あるモニターもあるんですよ。                                 


無謀にも巨匠に頼みにいった!


デザイン界の重鎮、アートディレクターの浅葉克己さんに、無謀にも映画「棘」のポスターや書籍「棘男」の装丁を頼みにいきました。

このポスターは、アートディレクターの浅葉克己先生の作品。映画「二宮金次郎」。なんといっても空間が美しいし、緊張感がある。映画「棘」のポスター、「棘男」の装丁をお願いに伺いました。

浅葉先生は、このプロジェクトを説明に伺い、

ラフの映像をお届けして、2~3日後先生からの電話。「それは救い出してあげなくちゃね」そう言ってくださいました。

本当に感謝です。

 

この日は、平林猛著作の評伝「棘男」~労働界のレジェンド武建一~の装丁の相談。出版社の展望社社長の唐澤社長と、浅葉克己先生と打ち合わせ。唐澤社長は、平林とは講談社で一緒。といっても大先輩。出版社内のパソコンでデモ映像をじーっと60分見て頂きました。そしてすぐ編集者に連絡をとり、段取りを進めてくれました。この企画に惚れ込んでくれた一人です。これまた感謝です。


浅葉先生、「棘男」の文字が出来ました!入魂の一枚。


挿入歌はやはり徳之島のアーティストに


三線で歌っているのは、奄美ダイニング「かんもうれ」のマスター松山晃久さん。御徒町にある奄美料理の店。映画に入れる島唄、ワイド節などお願いしました。

今度、映画の挿入歌として録音に伺います。

ちなみに沖縄と奄美の三線は大きさもバチも違うんです。

「映画のポスターできたら貼りますよ!」と、またまた応援団が増えました!


PANTAのエンディング曲


エンディング曲は、PANTAの「ステファンの6つ子」という曲。

「ステファンの5つ子」という惑星群があり、そこからヒントを得て作ったもの。

情報によれば、怪我をして入院をしていた子供に捧げた歌だそうです。優しくて元気が出る曲です。

この写真は、昨年4月22日に早稲田大学小講堂で開催した「映画監督と時代」という映画上映とシンポジウムに出て頂いたときのもの。最後に発禁だった「さよなら世界婦人」を歌ってくれました。

開演前にちょっと記念撮影。

左からPANTA、本イベントの主催者代表の仲倉重郎監督、本ドキュメンタリー映画「棘」プロデューサーの藤山顕一郎監督、小松範任監督。

 

それにしても、早稲田大学大隈講堂(1927竣工)。(小講堂)は素晴らしい建物です。重要文化財です。

なので、寒いし、画びょうやセロテープ禁止・・。この不自由が建物を守るためには大切。

 

シンポジウムの打ち上げ。右はPANTA。左はパネリストの森達也監督。オウム真理教の信者達の日常を追ったドキュメンタリー映画「A」は、なかなか良かった。信者たちに真摯に向かう森監督がなんとも清々しい。また、オウム真理教は「怖い」「犯罪者」といわれているものの、地域の人々は日々、若者の信者たちと塀ごしに会話を楽しんでいる。そんな地域の人々との交流の場面はなかなか良かった。過激なところだけ報道する。マスコミの姿勢を考えさせられた。